良い人材が辞めない会社の作り方㉒採用編

良い人材が辞めない会社になるためには、7つのポイントがあります。その一つが採用です。

優秀な人材が辞めずに長く定着する会社を作るためには、採用プロセスが非常に重要な役割を果たします。特に中途採用を行う際、応募者の経験やスキルが豊富であることに目が行きがちですが、それだけで判断してしまうと、後々のトラブルにつながる可能性があります。あなたの会社でも、経験やスキルが十分だと判断したものの、人柄に少し不安を感じた応募者を採用したことがありませんか?その時は、スキルに惹かれて採用してしまったかもしれませんが、その結果どうなったでしょうか?

実際に、スキルが十分であっても人柄に問題がある社員を採用してしまうと、彼らが社内でトラブルを引き起こし、結果的に他の社員が辞めてしまうというケースがよくあります。スキルや経験が優れているからといって、人間関係に問題がある人物を採用すると、社内の雰囲気が悪化し、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を与える可能性があります。さらに、トラブルメーカーとなった社員自身も、最終的には会社に適応できずに辞めてしまうことが少なくありません。

中途採用で経験者を募集する際、特に小規模な会社、例えば社員数が10人程度の企業であれば、採用は非常に慎重に行うべきです。小規模な会社では、社員同士の関係性が企業文化や業績に大きな影響を与えるため、採用する社員の人柄や会社との相性が非常に重要です。社長自身が「この人は自分と合わない」「一緒に働くのが難しそう」と感じた場合、どれだけスキルが優れていても、迷わず採用を見送るのが賢明な選択です。社長との相性が悪いと、最終的には職場全体の雰囲気や士気に悪影響を及ぼす可能性が高いからです。

一方、社員数が10人以上の中規模な会社では、社長一人との相性だけでなく、他の社員との関係性も重要なポイントです。そのため、採用時には、その応募者が他の社員と馬が合いそうかどうかをしっかりとイメージし、見極めることが大切です。応募者がすでにいるチームや部署のメンバーと円滑にコミュニケーションを取れそうか、仕事に対して協力的な姿勢を持っているかなどを慎重に判断する必要があります。もし、「この人はチームにうまく馴染まなそうだ」「他の社員と価値観が合わなそうだ」と感じた場合は、たとえスキルが高くても不採用を選ぶのが賢明です。

特に注意すべき点は、組織の風土に合わない人材を採用しないことです。組織の風土や文化に合わない人を採用してしまうと、最初は順調に見えたとしても、やがて他の社員との摩擦が生まれ、職場全体の雰囲気が悪化する可能性があります。また、そのような状況が続けば、優秀な社員が次々と辞めてしまうという事態に陥ることもあります。社内の価値観や働き方が共有されている環境でこそ、社員は長く働き続け、会社に貢献し続けることができるのです。

さらに、採用面接時の質問や評価ポイントも工夫する必要があります。応募者のスキルや経験を確認することはもちろん大切ですが、それと同じくらい、人柄やコミュニケーション能力、チームワークを大切にする姿勢なども評価の基準に加えるべきです。例えば、「あなたが過去にチームで直面した困難な状況と、その時どのように対応しましたか?」といった質問を通じて、応募者がどのように他者と協力して問題を解決したのかを確認できます。こうした質問を使って、応募者のスキルだけでなく、組織に適応できるかどうかを見極めることが重要です。

最終的には、会社の風土やチームの相性に合った人材を採用することが、優秀な人材が辞めない会社を作り上げるための最も効果的な手段です。スキルが優れていても、人柄やコミュニケーションに問題がある人物を採用してしまうと、短期的には良いパフォーマンスを見せたとしても、長期的には組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。中途採用においては、スキルや経験だけでなく、人柄や組織との相性にも十分注意を払い、会社全体の成長を支える人材を見つけることが重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください