良い人材が辞めない会社の作り方㉞採用編
良い人材が辞めない会社になるためには、7つのポイントがあります。その一つが採用です。
会社が成長し続け、優秀な人材が長く定着するためには、採用プロセスが非常に重要です。特に、採用の段階でどのような人材を選び、会社に迎え入れるかが、企業の将来に大きな影響を与えます。あなたの会社では、面接時に応募者がどのような理由で転職を希望しているか、しっかりと確認していますか?面接において、転職の理由を聞くことは一般的ですが、応募者の回答をどのように解釈し、判断するかがポイントです。
例えば、応募者が「もっと自分のスキルを伸ばしたい」とか、「自分の能力を存分に発揮できる職場で働きたい」という前向きな理由を口にすることがよくあります。このような回答は一見、ポジティブで意欲的に見えます。しかし、実はこのような応募者を採用すると、失敗に終わるケースが少なくありません。なぜなら、このような応募者は、自分自身の利益や成長を最優先に考える傾向があり、組織全体やチームの成功よりも、個人的なキャリアアップに意識が向いていることが多いからです。
このような応募者は、自分の目標やスキルアップに焦点を当てているため、職場の環境や業務が少しでも自分の期待にそぐわないと感じた場合、再び転職を考え始める可能性が高いです。たとえば、期待通りに評価されなかったり、思った以上に成長の機会が少ないと感じたりすると、簡単に離職を決断するかもしれません。これでは、せっかく採用した人材も長続きせず、会社にとって大きなコストと時間の無駄になってしまいます。
もちろん、応募者が面接用に考えてきたコメントであったり、ポジティブに見せたい気持ちがあるのは理解できます。しかし、採用する側としては、その言葉の裏にある本当の価値観や仕事への姿勢を見抜くことが重要です。単に「自分のスキルを伸ばしたい」や「自分の力を発揮できる場所で働きたい」という自己中心的な目標だけではなく、会社やチーム全体にどのように貢献できるかを考えられる応募者を選ぶことが、長期的な成功に繋がります。
たとえば、「お客様に喜んでもらいたい」とか「会社全体の成長に貢献したい」というような発言をする応募者は、他者の視点を持ちながら仕事に取り組む意識がある可能性が高いです。こうした価値観を持っている人材は、職場での小さな困難や不満にも柔軟に対応し、簡単に転職を考えることは少ないでしょう。なぜなら、自分の成功だけでなく、会社やチームの成功に深い責任感を感じているからです。こうした応募者を見極めることで、会社に長く貢献してくれる人材を採用できる可能性が高まります。
面接の際には、応募者が単に自己中心的な目標を語っているのか、それとも会社全体に貢献する姿勢を持っているのかを慎重に見極める必要があります。応募者の過去の経験やエピソードを掘り下げ、その発言が本物かどうかを判断することが大切です。具体的には、過去の職場でどのようにチームに貢献したのか、困難な状況をどう乗り越えたのか、そしてその結果としてチームや会社にどのような利益をもたらしたのかを聞き出すことで、応募者の本音を知ることができます。
また、面接時には、応募者に対して将来的な目標や会社への期待を尋ねることも重要です。応募者が自分のスキルアップやキャリアアップだけでなく、会社のミッションやビジョンに共感しているかどうかを確認することで、組織に対する忠誠心や長期的な視点を持っているかを見極めることができます。会社に貢献したいという意欲が強い応募者は、多少の困難や不満があっても、粘り強く働き続ける傾向があります。
最終的には、応募者の価値観や仕事に対する姿勢を面接でしっかりと見抜き、会社に合った人材を採用することが、長期的な成功を支えるカギとなります。単なるスキルや能力だけでなく、会社の成長に貢献する意欲を持った人材を見つけることが、優秀な人材が辞めない会社を作り上げるための重要なステップです。採用時に応募者の価値観や信念を見極め、長期的に会社にとってプラスとなる人材を採用するために、面接プロセスに十分な時間と労力をかけましょう。