良い人材が辞めない会社の作り方⑮採用編

良い人材が辞めない会社になるためには７つのポイントがあります。その一つが採用です。

優秀な人材が定着し、会社の成長に貢献するためには、まずは採用の段階で良い人材を見極めることが非常に重要です。どれだけ会社の環境や制度が整っていても、採用時に適切な人材を選ばなければ、後々問題が発生する可能性が高まります。特に、面接や採用プロセスにおいては、「良くない人材」をしっかりと見極めることが、会社にとってのリスク回避につながります。

中途採用の場合、応募者がこれまでどのようなキャリアを歩んできたか、そしてその背後にある転職の理由をしっかりと確認することが非常に大切です。あなたの会社では、面接時に応募者がなぜ転職を繰り返しているのか、その理由を深掘りして聞いているでしょうか？転職の回数が多い応募者は、たとえ転職理由がどれだけもっともらしく説明されても、慎重に判断する必要があります。多くの場合、転職を繰り返す理由には、職場環境や仕事内容に適応できなかったり、長期的な視点でキャリアを築く意欲に欠けていることが隠されていることがあります。

面接で転職理由を聞いた際、応募者は往々にして自身にとって有利な説明をするものです。例えば、「もっと成長できる環境を求めて」「スキルアップのために」「キャリアの幅を広げたかった」など、転職理由としては一見正当であり、前向きな理由を並べることが多いでしょう。しかし、ここで注意すべきなのは、どれだけもっともらしい理由を述べていても、それが実際に真実であるとは限らないという点です。何度も転職を繰り返している人材は、その都度何かしらの問題があって辞めている可能性が高いため、慎重な対応が必要です。

特に、転職の回数が多い場合には、単にその場での説明に騙されず、過去の職場でどのように働いていたのかや、どのような環境で最も活躍できるかを具体的に確認することが大切です。転職回数が多いこと自体が悪いわけではありませんが、繰り返される転職には何かしらのパターンがあるはずです。それが単なる適応力不足や忍耐力の欠如に起因している場合、いくらスキルが優れていても、長期的に会社に貢献する可能性は低いと判断すべきです。

さらに、面接では、応募者が過去の職場で直面した具体的な困難やチャレンジにどのように対処してきたかを詳しく尋ねることが有効です。単にポジティブな転職理由を述べるだけでなく、実際に過去の職場でどのような成果を上げたのか、または問題にどう対処してきたのかを確認することで、その人材がどれほどの適応力や問題解決力を持っているかを見極めることができます。これにより、短期的な職場の入れ替わりを避け、会社に長く貢献できる人材を選定することが可能になります。

また、転職回数が多い人材は、表面的には魅力的に見えるスキルセットやキャリア経歴を持っているかもしれませんが、実際には長期的な視野で会社にコミットできるかどうかが不透明なことが多いです。こうした人材を採用してしまうと、入社後すぐにまた転職を考え始める可能性があり、結果的に会社にとって大きなコストと負担を招くことになります。そのため、面接時には、応募者が会社のビジョンや文化に合致しているか、長期的なキャリアビジョンを持っているかを慎重に判断する必要があります。

最終的には、採用の段階で転職回数が多い応募者に対して十分なリサーチと見極めを行うことが、優秀な人材が定着する会社を作り上げるための第一歩となります。スキルや経歴に魅力を感じたとしても、応募者が過去の職場でどのような理由で辞めたのか、どのようにキャリアを築こうとしているのかを深く理解することで、適切な判断ができるようになります。これにより、短期間で辞めてしまうリスクを最小限に抑え、会社にとって本当に長期的に価値を提供できる人材を選び抜くことができるのです。